畳み込み積分・合成積のフーリエ変換|フーリエ変換の性質②

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今回は畳み込み積分フーリエ変換について説明します。早速ですが、畳み込み積分のフーリエ変換は以下のような性質を持ちます。

畳み込み積分のフーリエ変換

$f(t),g(t)$ を $(-\infty,\infty)$ で定義された関数として、各関数のフーリエ変換を $\F[f(t)],\F[g(t)]$ とする。このとき、畳み込み積分フーリエ変換 $\F[(f\ast g)(t)]$ も存在して以下が成立する。

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]=\sqrt{2\pi}\,\F[f(t)]\F[g(t)]\\
\,
\end{split}

なお、畳み込み積分の詳しい説明はこちらで行っています。

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畳み込み積分のフーリエ変換

冒頭でも示しましたが、畳み込み積分のフーリエ変換の結果は以下のようになります。

畳み込み積分のフーリエ変換

$f(t),g(t)$ を $(-\infty,\infty)$ で定義された関数として、各関数のフーリエ変換を $\F[f(t)],\F[g(t)]$ とする。このとき、畳み込み積分フーリエ変換 $\F[(f\ast g)(t)]$ も存在して以下が成立する。

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]=\sqrt{2\pi}\,\F[f(t)]\F[g(t)]\\
\,
\end{split}

以下で畳み込み積分のフーリエ変換の証明を示します。

【合成積のラプラス変換の証明】

$f(t),g(t)$ を $(-\infty,\infty)$ で定義された関数として、各関数のフーリエ変換を $\F[f(t)],\F[g(t)]$ とします。

このとき、$\F[(f\ast g)(t)]$ のフーリエ変換は、その定義より以下のように計算できます。

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]&=\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}(f\ast g)(t)e^{-iwt}\diff t
\end{split}

さらに、畳み込み積分の定義から上式は、

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]&=\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}\left( \int_{-\infty}^{\infty}f(u)g(t-u)\diff u \right)e^{-iwt}\diff t \EE
&=\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}\left( \int_{-\infty}^{\infty}f(u)g(t-u)e^{-iwt}\diff u \right)\diff t
\end{split}

とできて、積分の順序を入れ替えて

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]&=\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}\left( \int_{-\infty}^{\infty}f(u)g(t-u)e^{-iwt}\diff t \right)\diff u
\end{split}

ここで、$v=t-u$ と置換すると $t=u+v,\diff v=\diff t$ となるため、

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]&= \ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}\left( \int_{-\infty}^{\infty}f(u)g(v)e^{-iw(u+v)}\diff u \right)\diff v \EE
&=\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\left(\int_{-\infty}^{\infty}f(u)e^{-iwu}\diff u \right)\left(\int_{-\infty}^{\infty}g(v)e^{-iwv}\diff v \right)
\end{split}

係数を調整して、さらに積分変数を形式的に $t$ へ変更すると、

\begin{split}
\F[(f\ast g)(t)]&=\sqrt{2\pi}\left(\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}f(t)e^{-iwt}\diff t \right)\left(\ff{1}{\sqrt{2\pi}}\int_{-\infty}^{\infty}g(t)e^{-iwt}\diff t \right) \EE
&=\sqrt{2\pi}\,\F[f(t)]\F[g(t)] \EE
&=\sqrt{2\pi} F(w)G(w)
\end{split}

が得られます。以上より、畳み込み積分のフーリエ変換を証明できました。

次回以降は、フーリエ変換の性質を用いて具体的な関数についてのフーリエ変換を求めていきます。

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