ランタン

天体力学

軌道要素とは?|天体の軌道を決定する次元要素と方位要素

天体の軌道は六つの要素を用いて完全に決定することができます。この要素は軌道要素と呼ばれ、次のように表されます。 軌道要素 天体の軌道を決める要素として、軌道の大きさと形、位置の決定に関わる $3$ つの次元要素と、慣性座標系に対しての軌道面...
天体力学

ペイロード比と質量配分問題|多段ロケット化する理由と最適質量分配の方法

今回はロケットを多段化する理由と、各段の最適な質量配分について考えていきます。まず、ロケットに関する基本的な用語として、ペイロード比と構造係数と呼ばれるものがあります。 ペイロード比と構造係数 ロケットの全質量を $M_0$、人工衛星などの...
天体力学

比推力・推力重量比とは?|ロケット性能の指標と最高到達高度の導出

ロケットの性能を表す重要な指標として、比推力 $I_{sp}$ と推力重量比 $\psi$ と呼ばれるものがあります。(H-ⅡAロケットの比推力は $390\,\RM{s}$、推力重量比は $2.0$ となっています) 比推力 $c$ を有...
物理数学

二次曲線と離心率の関係|天体の軌道解析の基礎

ケプラーの法則から言えるように、天体力学で扱う天体の軌道は基本的には楕円・放物線・双曲線の二次曲線となります。 今回は天体力学の基礎となる二次曲線を、極方程式で表すことを考えます。結論を示すと、二次曲線は半長径と離心率を用いて次のように表せ...
天体力学

スイングバイとは?|宇宙機の軌道変更の原理と回転角の導出

ロケットが運搬できる重量には制約があるため、惑星探査機等の宇宙機に搭載する推進剤の重量はなるべく少なくしなければなりません。 このような事情があるため、推進剤をなるべく使わず宇宙機の軌道を変更する手段が重宝されます。 その手段の一つとして、...
天体力学

影響圏とは?|中心星と摂動体の境界線の導出

摂動は天体の軌道を乱す厄介な現象ですが、惑星探査機などの宇宙飛行体の軌道を設計する際には積極的に活用されることがあります。 さて、軌道の計画を行うに当たり、例えば、地球と太陽のどちらの重力の方が影響が大きいのか、知ることができれば便利と言え...
天体力学

摂動・摂動関数とは?|多体問題の検討と摂動関数の導出

人工衛星の軌道を考えるときなど、基本的には中心天体とその周囲を巡る天体の二体問題と考えることは、非常に良い近似と言えますが、長期で考えると太陽や月からの重力や、地球自体が扁平楕円体であることの影響によって予測精度が落ちていきます。 長期的な...
天体力学

扁平楕円体の重力ポテンシャルと重力の導出|地球の重力のモデル化

今回は、扁平楕円体(断面が楕円となる回転体のこと)の重力ポテンシャル(=ある点での単位質量当たりのポテンシャルエネルギー)を導き、また、この扁平楕円体周辺の重力を導出します。 扁平楕円体の重力ポテンシャル $r'$ を原点からの質量素片 $...
特殊関数

ルジャンドル多項式の定義と性質|加法定理・直交性とは?

前回、球と球殻の重力ポテンシャルを導出しました。この結果は有用ではありますが、現実の天体に適用するには力不足です。なぜなら、地球などの現実の天体は、遠心力により赤道がわずかに膨らんだ扁平楕円体となっているためです。 扁平楕円体が形成する重力...
天体力学

球殻と球体の形成する重力ポテンシャルの導出|質点近似の妥当性の確認

今回は、球殻と球体の形成する重力ポテンシャル(=ある点での単位質量当たりのポテンシャルエネルギー)の導出を行います。この導出を通して、ケプラーの法則や二体問題で天体を質点と近似した手法の妥当性を確認します。 結論から示すと、球殻と球体の重力...