伝熱工学の目次|熱の移動形態と移動速度の理論 X Facebook0 はてブ0 Pocket0 LINE コピー2023.09.032024.01.04クリックしてジャンプ伝熱の基本法則平板と円筒の定常熱伝導定常熱伝導の性質熱伝達の性質輻射の性質 熱伝導方程式とその解法伝熱の基本法則熱伝導・熱伝達・輻射とは?熱伝導・熱伝達・輻射とは?|伝熱の3形態と伝熱工学伝熱工学の手始めとして熱伝導・熱伝達・輻射という3つの伝熱形態について解説します。伝熱工学ではこれらの伝熱形態を組み合わせて、熱の移動について考えていきます。結論から述べると、これらの伝熱形態は次のように表現されます。熱伝導・熱伝達・輻射と...フーリエの法則とは?フーリエの法則とは?|熱伝導における温度勾配と熱流束の関係熱伝導により伝わる熱流束の大きさは、以下のフーリエの法則によって記述されます。フーリエの法則個体(静止流体)内のある点を通過する熱流束は、その点での温度勾配に比例する。すなわち、熱伝導率を $k$ として、ある点を通過する局所的な熱流束 $...ニュートンの冷却法則とは?ニュートンの冷却法則とは?|熱伝達における対流と熱流束の関係熱伝達により伝わる熱流束の大きさはニュートンの冷却法則により、次のように記述されます。ニュートンの冷却法則個体表面の温度を $T_w$ 遠方での流体の温度を $T_{\infty}$ とする。このとき、熱伝達率を $h$ として、壁面を通過...ステファン=ボルツマンの法則とは?ステファン=ボルツマンの法則とは?|輻射における温度と熱流束の関係絶対温度が $T$ の物体から輻射される熱流束は、ステファン・ボルツマンの法則より、次のように記述されます。ステファン=ボルツマンの法則$\sigma$ をステファン=ボルツマン定数、$\eps$ を(全)放射率とする。このとき、絶対温度 ...平板と円筒の定常熱伝導平板の定常熱伝導平板の定常熱伝導と温度分布|熱伝導方程式の解法①今回は平板の定常熱伝導を例として、熱伝導方程式の解法を見ていきます。平板の定常熱伝導における温度分布平板の両端の温度がそれぞれ $T_0,\,T_1$ のとき、厚さ $L$ の平板内の温度分布は次のように表せる。\begin{split}T...円筒の定常熱伝導円筒の定常熱伝導と温度分布の導出|熱伝導方程式の解法②今回は、内部に発熱の無い円筒の定常熱伝導を例として、熱伝導方程式の解法を見ていきます。このときの熱伝導方程式を解くと、円筒内部の温度分布は次のように表せます。発熱の無い円筒の定常熱伝導における温度分布円筒の内壁と外壁の温度がそれぞれ $T_...発熱を伴う定常熱伝導の解法発熱を伴う定常熱伝導の温度分布の計算|熱伝導方程式の解法③今回は、ヒーターのような内部に発熱がある物体の温度分布について考えます。状況としては、スイッチをオンにしてから、ある程度、時間が経過した後での物体内の温度分布を考えることに相当します。物体内部に発熱がある温度分布についても熱伝導方程式を解く...定常熱伝導の性質熱抵抗とは?熱抵抗とは?|熱抵抗の定義と合成熱抵抗の計算方法熱の伝わりにくさを数値化したものを熱抵抗と呼び、次のように定義されます。熱抵抗の定義$\D T$ を $ 点間の温度差、$\dot{Q}$ を $ 点間を通過する伝熱量とする。このとき、熱抵抗 $R_{\q}$ を次のように定義する...熱通過率・総括熱抵抗とは?熱通過率・総括熱抵抗とは?|定義と定常状態の平板の例題流体中に置かれた平板の伝熱は、熱伝達と熱伝導が複雑に関与する現象です。このような状態での温度分布を求める王道の方法は、熱伝導方程式を解くことですが、平板が定常熱伝導である場合には簡単な方法で温度分布を求めることができます。この際に用いられる...拡大伝熱面とは?拡大伝熱面とは?|定義と応用【フィン効率とは?】個体壁と流体の間で伝わる熱量 $\dot{Q}$ は、個体壁の表面積を $A$、温度差を $\D T$、そして熱伝達率を $h$ として、$\dot{Q}=h\D T A$ と表せます。式から分かるように、伝熱量は流体と接する表面積の大きさ...フィン効率とは?フィン効率とは?|矩形断面のフィン表面温度分布と放熱量の関係以前、拡大伝熱面によって放熱が促進される理由について解説しました。工学的には、エンジンやCPUの冷却に拡大伝熱面の性質が活用されています。さて、フィンの表面積を増やすほど放熱量も比例して増えるのかと言うと、そのようなことは無く、フィン効率と...熱伝達の性質ビオ数・フーリエ数とは?ビオ数・フーリエ数とは?|熱伝導に関わる無次元数の解説と導出対象の物体の熱伝導と熱伝達のどちらが優勢なのかは、温度分布を推定する上で重要な情報となります。この情報を教えてくれるのが、ビオ数と呼ばれる無次元数です。ビオ数の定義$k$ を固体の熱伝導率、$h$ を熱伝達率、$L$ を物体の代表長さとする...ヌセルト数とは?ヌセルト数とは?|熱伝達係数と流体力学の接点熱伝達とは、流体の対流により熱の移動が行われる伝熱形態です。熱伝達により移動する熱量は、ニュートンの冷却法則より求められますが、未解決の問題が一つありました。それは、熱伝達係数(熱伝達率)は流体固有の物性値ではなく、流速等の周囲の環境により...強制対流層流熱伝達における水平平板のヌセルト数の導出水平平板のヌセルト数の導出|強制対流層流熱伝達とは?水平平板からの放熱は、フィンからの放熱を考える際のモデルとして重宝されます。今回はこのうち、強制対流かつ流れが層流である場合の水平平板からの熱伝達について考え、ヌセルト数を導出する過程について解説します。水平平板の強制対流層流熱伝達における...強制対流乱流熱伝達|各種形状のヌセルト数強制対流乱流熱伝達のヌセルト数|各種形状のヌセルト数の紹介と例題強制対流層流熱伝達に引き続き、今回は強制対流乱流熱伝達について考えます。なお、ここでは各種形状の強制対流乱流熱伝達における、ヌセルト数について紹介します。円管内乱流強制対流のヌセルト数円管内乱流強制対流におけるヌセルト数として、次の $\R...グラススホフ数とは?グラスホフ数とは?|定義と導出【ブシネスク近似】加熱や冷却により流体中に密度差が生じると、浮力により対流が生じます。このような対流の形態を自然対流と呼び、自然対流による熱伝達を自然対流熱伝達と呼びます。自然対流は身の回りの現象に密接に関係しており、煙突から出る煙、線香の煙、水蒸気が上昇し...輻射の性質キルヒホッフの法則とは?キルヒホッフの法則とは?|光と物体の相互作用法則輻射伝熱を考えるとき、ステファン=ボルツマンの法則から計算される放射熱に加えて、対面の物体から受け取る輻射も考慮する必要があります。さて、物体が吸収する輻射は物体自身の吸収率から求められるのですが、簡単には吸収率を測定できないという問題があ...輻射強度とは?|ランバートの法則と輻射強度不変の法則輻射強度とは?|ランバートの法則・輻射強度不変の法則今回は、有限の大きさの黒体から放射される輻射エネルギーについて考えていきます。この考察を通して、ランバートの法則や輻射強度不変の法則など、いくつかのな理論的な帰結が得られます。輻射強度とは?単位時間当たりに単位立体角を通過する輻射エネルギー...形態係数とは?|定義と計算例形態係数の定義と計算例|輻射伝熱と平面の幾何学的関係の対応輻射伝熱は電磁波により熱エネルギーが運ばれる伝熱形態です。懐中電灯を思い浮かべれば分かるように、電磁波は直進する性質があるため、面の向きによって受け取る輻射熱の量が変化します。また、輻射伝熱の授受が行われる面は、実際には有限の大きさのため、...ガス輻射とは?ガス輻射とは?|ガス層からの放射と吸収の機構と法則【ビアの法則】これまでは個体からの輻射伝熱の性質について考えてきました。実は、個体からの輻射だけでなく気体からの輻射も存在していて、この輻射はガス輻射と呼ばれます。身近にガス輻射は存在しており、ガス輻射の代表例は太陽からの輻射です。また、個体では表面のみ...オルバースのパラックスとは?オルバースのパラドックスとは?|夜空はなぜ暗いのか?これまで、黒体の輻射について考えてきましたが、これを宇宙に適用すると、オルバースのパラドックスと呼ばれる不合理が導かれます。オルバースのパラドックス恒星の分布がほぼ一様かつ、恒星の大きさも場所に依らず平均的にほぼ同一と仮定する。このとき、夜... 熱伝導方程式とその解法熱伝導方程式とは?熱伝導方程式とは?|熱伝導を記述する基礎方程式の理論と導出熱伝導方程式とは熱伝導における温度分布の時間変化を記述する微分方程式です。熱伝導方程式は次のように記述されます。なお、熱伝導方程式の解法については、こちらで説明しています。熱伝導方程式$T$ を温度、$\rho$ を密度、$c$ を比熱、$...半無限個体の非定常熱伝導半無限固体の非定常熱伝導解析|熱伝導方程式の解法①ここまでは、定常熱伝導について考えてきましたが、今回は非定常熱伝導について考えます。非定常熱伝導では、熱伝導方程式の左辺にある非定常項が https://yomoriki.com/heat-transfer/59424/$ でないため、偏微分方程式について解かなければなりません。今回は、半無限固体を題材に熱伝導方程式...棒の非定常熱伝導解析棒の非定常熱伝導解析|熱伝導方程式の解法②今回は、一次元非定常熱伝導に分類される棒の非定常熱伝導について考えます。半無限固体の非定常熱伝導を以前考えましたが、今回は両端の温度を固定し、さらに初期温度分布を与えた場合の温度変化について考えていきます。棒の非定常熱伝導長さ L$ の...平板の非定常熱伝導平板の非定常熱伝導解析|熱伝導方程式の解法③今回は、平板についての非定常熱伝導を考え、境界条件として熱伝達による熱の出入りを設定します。棒の非定常熱伝導では、両端の温度を固定したディリクレ条件で考えましたが、今回は第三種境界条件と呼ばれる、壁面での熱伝達と熱伝導の大きさが一致するとい...集中熱容量モデルとは?集中熱容量モデルとは?|集中熱容量モデルの理論・導出と例題ビオ数が十分小さいときは集中熱容量モデルと呼ばれる、熱伝導方程式を近似した手法が使えます。集中熱容量モデルでは、物体内の温度分布を無視して熱容量だけの集中系として温度変化を取り扱う点が特徴となります。集中熱容量モデルビオ数が十分小さいとき(...