天体力学

扁平楕円体の重力ポテンシャルと重力の導出|地球の重力のモデル化

今回は、扁平楕円体(断面が楕円となる回転体のこと)の重力ポテンシャル(=ある点での単位質量当たりのポテンシャルエネルギー)を導き、また、この扁平楕円体周辺の重力を導出します。 扁平楕円体の重力ポテンシャル $r'$ を原点からの質量素片 $...
特殊関数

ルジャンドル多項式の定義と性質|加法定理・直交性とは?

前回、球と球殻の重力ポテンシャルを導出しました。この結果は有用ではありますが、現実の天体に適用するには力不足です。なぜなら、地球などの現実の天体は、遠心力により赤道がわずかに膨らんだ扁平楕円体となっているためです。 扁平楕円体が形成する重力...
天体力学

球殻と球体の形成する重力ポテンシャルの導出|質点近似の妥当性の確認

今回は、球殻と球体の形成する重力ポテンシャル(=ある点での単位質量当たりのポテンシャルエネルギー)の導出を行います。この導出を通して、ケプラーの法則や二体問題で天体を質点と近似した手法の妥当性を確認します。 結論から示すと、球殻と球体の重力...
物理数学

回転行列とオイラー角の関係|回転行列の導出と三次元空間の回転の表現

今回は、二次元の回転と三次元の回転について考えていきます。 まず、二次元の回転については、以下の回転行列により規定されます。 回転行列とは? 以下の行列 $R_{\q}$ を(二次元の)回転行列と呼ぶ。 $$R_{\q}=\begin{pm...
物理数学

勾配・発散・回転の球座標表示の導出|ベクトル微分演算子の球座標表示とは?

今回は、勾配(グラディエント)、発散(ダイバージェンス)、回転(ローテーション)の球座標表示を導出していきます。 結論から示すと、これらは次のように表せます。まず、勾配 $\RM{grad}$ の球座標表示は以下のようになります。 勾配(グ...
物理数学

単位ベクトルと偏微分演算子の球座標表示|直交座標と球座標の対応

今回は、単位ベクトルと偏微分演算子の球座標表示について考えます。 結論を示すと、これらは次のように表すことができます。 単位ベクトルの球座標表示 球座標における単位ベクトルをそれぞれ、$\B{e}_r,\B{e}_{\q},\B{e}_{\...
物理数学

ストークスの定理とは?|ベクトル場の回転と線積分の関係

ベクトル場 $\B{F}$ の中に置かれた閉曲線と、その閉曲線に囲まれた面について以下の関係が成立することが知られています。そして、この関係はストークスの定理と呼ばれます。 ストークスの定理 ベクトル場 $\B{F}$ の中に閉曲面 $C$...
電磁気学

ポインティング・ベクトルとは?|電磁波の伝播方向とエネルギー密度の表現

電磁波はその名前から分かるように、電場と磁場から構成されるエネルギーの流れと考えることができます。 これを考える際、次のように定義されるポインティング・ベクトルを導入すると便利です。 ポインティング・ベクトルとは? 単位時間・単位断面積を通...
電磁気学

電磁波の方程式と光速の導出|マクスウェル方程式の解法

今回は、マクスウェル方程式を具体的に解き、電磁波の方程式と光速の導出を行います。 結論から示すと、これらは次のように表せます。 電磁波の方程式と光速 $\B{E}$ を電場、$\B{H}$ を磁場、$\mu_0,\eps_0$ をそれぞれ真...
電磁気学

マクスウェル方程式とは?|電磁気学の基礎方程式

電磁気学の基礎方程式であるマクスウェル方程式は、四つの方程式から構成されています。これらの方程式の具体的な内容は、次のようになります。 マクスウェル方程式とは? $1.$ 電荷密度が $\sigma$ の電荷は、電束密度(電場を一般化した概...