熱力学

クラペイロン・クラウジウスの式とは?|相転移と潜熱の関係式

水が沸騰する際や、氷が融ける際に温度は変化せず一定となります。 このような相転移の際に物質の温度が変化しないのは、与えられた熱が異なる相に移り変わるための内部エネルギーとして消費され、温度上昇に寄与しないためです。 与えられた熱が温度上昇と...
熱力学

蒸気圧・三重点・相転移とは?|相平衡とギブスの自由エネルギーの関係

水は温度に応じて氷や水蒸気に姿を変えます。 このように、温度や圧力に応じて物質の状態が変化する現象のことを相転移と呼びます。 身近な相転移の例として、水が氷に変化する事例や水の沸騰が挙げられます。 相転移とは? 相転移:温度と圧力の変化によ...
熱力学

成績係数とは?|冷凍サイクルのエネルギー効率

冷蔵庫やエアコンなどの冷凍機の動作原理について今まで見てきました。 今回は、冷凍機の動作を抽象化してそのエッセンスだけを抜き出した、冷凍サイクルについて考えます。 冷凍サイクルとは? 低温熱源から高温熱源へ熱を移動させるサイクルを冷凍サイク...
熱力学

冷凍機の仕組みとは?|冷凍機の動作原理とジュール・トムソン効果

普段気にしたことが無いかもしれませんが、よくよく考えると、冷蔵庫やエアコンは不思議な家電です。 冷蔵庫やエアコンはスイッチを入れると、独りでに冷えた空気を吹き出し、みるみる空間が冷えていきます。どのようにして、冷えた空気を作り出しているので...
熱力学

ジュール・トムソン効果とは?|冷凍機の物理学

冷蔵庫やエアコンは低温側から熱を取り去って、高温側に熱を捨てるという離れ業を行っています。 当然、熱の性質に逆行することを実現するには工夫が必要です。これらの装置では、図のような冷媒と呼ばれるガスを循環させることで、外気との熱の交換を行いま...
熱力学

ファン・デル・ワールスの状態方程式とは?|【マクスウェルの規則】

実在気体ではある温度(=臨界温度)以下のとき、圧力を加えることで液化できることが知られています。しかしながら、理想気体の状態方程式からは、このような振る舞いを再現することができません。 液化減少を再現できない理由は、理想気体の状態方程式は、...
熱力学

マクスウェルの関係式とは?|四つの状態量を結ぶ熱力学の基本式

内部エネルギーやエンタルピー、エントロピーは重要な物理量でありながら、測定が困難であるという欠点があります。 もし、これらが測定が容易な圧力や温度、体積などといった物理量に置き換えることができたなら、非常に便利であると言えます。 この目標の...
熱力学

エクセルギーとは?|エネルギーの『質』と『価値』の定量化

熱力学第一法則より内部エネルギー・エンタルピーという概念が、熱力学第二法則より、エントロピーやヘルムホルツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギーという概念が導かれました。 今までに導いたこれらのことは我々に、”系から仕事として取り出せるエ...
熱力学

ギブスの自由エネルギーとは?|等温等圧過程で得られる仕事の最大値

ヘルムホルツの自由エネルギーと似た物理量として、ギブスの自由エネルギーというものがあります。 ギブスの自由エネルギー $H$ を系の持つエンタルピー、$T$ を絶対温度、$S$ をエントロピーとして、ギブスの自由エネルギー $G$ を次のよ...
熱力学

ヘルムホルツの自由エネルギーとは?|等温等圧過程で得られる仕事の最大値

等温過程で得られる仕事の最大値を教えてくれるのが、ヘルムホルツの自由エネルギーです。ヘルムホルツの自由エネルギーから、実用上重要な系から取り出せる仕事の大きさが推定できます。