解析力学

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振り子の周期の厳密解の導出|楕円積分と振り子の周期の関係

今回は振り子の周期の厳密解(一般の振れ角での周期)の導出過程について紹介します。 結論から示すと、振り子の周期の厳密解は次のように表されます。 振り子の周期の厳密解 振り子の錘の質量、ひもの長さ、重力加速度をそれぞれ $m,l,g$ とする...
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作用変数・角変数とは?|周期運動とハミルトン・ヤコビ理論

ハミルトン・ヤコビ理論を用いて周期運動(振り子の振動やばね振動等の運動)を解析する場合、次のような作用変数や角変数を利用すると便利です。 作用変数の定義 ハミルトンの特性関数を $W(q,\A)$ として作用変数 $J$ を次のように定義す...
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ハミルトン・ヤコビ理論とは?|正準変換による運動方程式の解法

今回は正準変換を利用して運動方程式を解く手法の一つである、ハミルトン・ヤコビ($\RM{Hamilton-Jacobi}$)理論について解説します。 ハミルトン・ヤコビ理論の考え方自体は簡単で、ハミルトンの正準方程式を満たす解(=正準変数)...
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ネーターの定理とは?|時間と空間の対称性と保存則の関係

今回は物理学上の重要な知見を与えてくれるネーター($\RM{Noether}$)の定理について解説します。 ネーターの定理 ラグランジアン $L(q,\dot{q},t)$ が対称性を持つとき、それに対応した保存量が存在する。 ネーターの定...
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無限小変換とは?|正準変換と保存量の対応関係

無限小変換とは、正準変換の特別な場合の変換として定義される変換のことです。 無限小変換は一般化座標・一般化運動量の微小変化についての正準変換であり、具体的には恒等変換に対する微小変化として定式化されます。 無限小変換とは? 正準変数 $q,...
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ポアソンブラケットの正準変換に対する不変性の証明

ポアソンブラケットが任意の正準変換に対して不変であることを示していきます。 ポアソンブラケットの正準変換に対する不変性 ポアソンブラケットはそれを定義する正準変数の取り方に依らず不変である。 すなわち、それぞれの正準変数の組 $(q,p),...
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ヤコビの恒等式とは?|ポアソンブラケットの公式と証明

ヤコビの恒等式とはポアソンブラケットを用い、次のように表される関係式のことです。 ヤコビの恒等式 正準変数 $q_i,p_i$ を独立変数に持つ関数 $f,g,h$ に対して、以下のヤコビの恒等式が成立する。 \begin{split}\{...
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ポアソンブラケットとは?|定義と性質・正準変換の変換公式

ポアソンブラケットとは、次のように定義される計算のことです ポアソンブラケット 正準変数 $q_i,p_i$ を独立変数に持つ偏微分可能な二つの関数 $f(q_i,p_i),\,g(q_i,p_i)$ に対して、ポアソンブラケット $\{f...
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ルジャンドル変換と解析力学|ラグランジアンからハミルトニアンへ

ルジャンドル変換は次のように定義される変数変換のことです。 ルジャンドル変換 凸関数を $f(x)$ として、$u=f'(x)$ とする。このとき、以下の関数 $g(x)$ をルジャンドル変換と呼ぶ。 \begin{split}g(u)=u...
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正準変換・母関数とは?|正準変換と母関数の定義とその導出

正準変換とは次のように定義される変換のことです。 正準変換とは? ハミルトンの正準方程式を満たす一連の正準変数 $q_i,p_i$ と、これにより定められるハミルトニアン $H(q_i,p_i,t)$ が存在したとする。ここで、$q_i,p...